
お好きな方にはかなり好評、
そうでない方にもそこそこに・・
お久しぶりなシリーズでございます。

趣味に対する姿勢が特別な女性のお話です。
イニシャルや
一部のシチュエーションは変えていますが、
ほぼ忠実なエピソードです・・。
・・
Hさんはある時・・
街中を歩いていたら、
こんな声が聞こえて来た感じがしたそうだ。
『コレヲカッテオクレ・・・
コレヲカッテイテオクレ・・・』
なんだろう?と思って、
その声のようなものがするすぐ真横を振り返った。
あ・・・・

そこにあったのは古い骨董店で、
彼女は徹底したマニアではないけれど、
趣味のよい骨董品を見つけては、
実用品として使うことでもあったので、
『何かが呼んだ』のだと感じたそうだった・・・。
・・たまにあるのよね、買ってとかそういう。
彼女はたまに入ってみるお店だったので、
あまりためらわずに中に進んでみたそうだ。
『コレヲアズカッテオクレ・・・』
いつもはそんな
奥まった所へは行かなかったけれど、
その何かが呼んでいる場所を見てみると・・・
「・・何だろうこれは古文書?」
昨年のまだ寒い初春辺り、
古文書はそこそこの値段だったけれど、
たぶん、この品は一時的な品なんだろうと直感した。

自分に働きかけては来るけど、
実用性が一番の私のような人間ではなく、
一時的に預かっておくのが自分の役目だという、
そんな品物だと直感したらしい・・。
「すみません、これ下さい」
「珍しいね、お嬢さんみたいな若い人が
これは江戸時代の水系とか治水のだよ」
「(奥さんなんだけどな・・)

水系とか治水とかですか?
分かりました、では二回払いのクレジットで」
分割払いは長引くと、もしかしたら
「一時的に預かる役目」としては長過ぎる。
なので二回払いにしたが、
少し高いハンドバッグを買うくらいの値段だったので、
夫にはしばらく内緒にしようと・・。
実は少し浮き世離れしてはいたけど、
Hさんは奥さんでもあり、
仕事もフルタイムで大学の司書、
つまり私立の大学で図書館の職員をしていた。
が。。
彼女は何故?
訳の分からない古文書を買ったのかを、
すぐ一ヶ月後に知ることになる・・
骨董品店に入ったのが2月、
それから一か月後にあの3月の震災があって、
『え・・・』と思ったそうだった・・。
しばらくは毎日の震災後の生活に追われ、
大学ではたくさんの書籍が
図書館の棚から落ちてしまったため、
片付けをする日々と化した・・。
三ヶ月位経ってから、
ようやくどうにか震災の余波からまともに戻った時、
あの古文書があった店舗が気になって、
街中の店へと行ってみたという・・。

あまりに老朽化した建物だったために、
瓦が重かったため
屋根からかなり崩れてしまっていた。
・・
m(u_u)m ここでおねがいいたします☆



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