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 「ちぐはぐな彼女





杏子は今、
付き合っている男性との事を悩んでいた・・。





彼女は二十代後半だったけれど、
あっさりとした付き合いはよくあったが、
いわゆる『恋人』とか『特定の彼氏』
~などと呼べる感じの男性は、
これまであまり居なかったと言って良かった。




容姿も性格も悪く無いし、
反対にどちらかと言えば魅力的に映る・・。



・・ただ、小さな頃から読書好きだったし、
生身の人間よりもネットでの方が、
相手の顔も判らないのが気楽で、


少しだけ二次元コンプレックス、
ネット依存が強かったかもしれない・・。




彼の蒼太は二歳年下で、
会社の後輩だったけれど、
同じセクションではなく、
先輩女子社員がセッティングした合コンで知り合った。




見た目は十分にセクシーなのに、
計算ではなく、何処かおどおどした感じの杏子は、
合コンでは最初はミステリアスで、
話好きな女子が目立つ中、
反対に違う意味で目立ち、
男性に不思議な印象を与えていた・・。





「楡崎さんは次は何を飲むの?」





その日のコンパは、
どちらかと言えば話しやすい女性と、
ノリの良い男性が先に盛り上っていた感じで、
苦手なのにメンバー不足のために誘致された杏子は、
合コン全体の雰囲気に相変わらず馴染めないでいた。



そんな中で、
今、かつて無いくらいの交際をしている蒼太が、
はにかんだ笑顔で話しかけてくれたのだった・・。




・・・楽しかった・・・



何だかこれまでには感じたことが無い感覚と、
彼のわざとらしくないアプローチは、
杏子の鉄壁に近い、
ガードの門を少しずつ開いて行った気がした。



が。。



・・あの合コンから、
自然な流れで付き合い出す前にも、
いや・・コンパの最中にも、
何故か杏子の中の何かが楽しさを阻む。




そういえば -

前に初恋の時にも
こんな気分になったことがあったような・・?


生徒会長の男の子が、
同じ理系の志望だったこともあって、
同じ進学校に行く話から意気投合をしたのだが・・。




それから・・・


ちゃんと付き合ってもいないのに、
彼に対して追いかけるつもりも無かったのに、
つい・・気が付いたら家のドアの前にいたり。



果てはちょっとストーカーめいた心理に陥り、
どうしようと悩んだ時にも・・・





『そんな男は止めておけ・・

お前を堕落させる

また同じことになるんだぞ・・』




・・え?・・・




同じような声が聞こえた気がしたのだったが・・



幸いに、受験もハードになって行き、
自分の興味の矛先を、
ようやく受験に向けて頑張った・・・


ただのストーカーになってしまい、
いじめなんかの対象にならないようにと・・


でも、その後、その男の子に対する興味は、
あっという間に覚めてしまい、
あんなに追いかけていた自分が、
反対に何だったのかすら忘れてしまったのだ。




『初恋?・・・だったと言えるのかしら』





・・現実なのに、目の前に彼がいるのに、
変な声が心の中で囁きかけて来るようだ・・




杏子は前にも、
大学生の頃に付き合おうと誘われた先輩へ、
中学生以来、よい手応えがあったので、
デートの予定を具体的に決めようとしたが・・



何日かして、突然に嫌気が差して、
せっかくの誘いを
きっぱりと断ってしまったことがあった・・。



確か・・・それも彼を好きで、
あちらも自分を思ってくれていたようだったのに、
ある日、突然に嫌悪感に襲われ、
思いっきり振ったカタチとなってしまった。



その時の好きだった筈の先輩が、
捨て台詞のように杏子に言い放った・・




「楡崎ってさ・・勝手な女だな・・
自分だけが良ければそれで良いのかよ

・・・失望したぜ・・・」





・・・失望したぜ・・・・




『失望』という単語がなお、
その後の彼女の生き方、
恋愛観を大きくマイナスへと変えてしまったのだ・・。




『私、何かおかしいのかしら?
何処か欠陥のある人間なのかな・・』





・・彼女のもっかの悩みとは・・・



彼に対しての自分の感情のコントロールが、
これまでの時分とはまた違い、
慣れてはいないだけではなく、
失望とかエゴとか・・そんな言葉だけではなく、

・・何だか、とてもおかしいのだ・・・。




・・そうだ、断ったお誘いと言えば・・・



先日、三日前の蒼太の時にもだった・・
いや・・それはこの間のことが引っかかって。




一週間前・・
二度目のデートの時には、
ただ予約してくれていたイタリアンレストランに行き、
かつてないくらい、
とても弾んだ会話になっていたのに・・




「あの子・・あなたのこと見てるわ・・・」




「そう?別にただ視界に入っただけだと思うよ~
それより今度は違うワインにいしようか・・」




「変よ・・絶対に変・・見つめているわ
ウザったいたらないわ・・・何よ」




心から湧き上がる楽しい感情が、
前のテーブルに座っていた女性二人の方へ・・


そこに一時的に彼の目が行っただけなのに、
猛烈な感情が湧き起った・・・



『嫉妬』・・・・それもかって無い恐ろしいほどの。




・・その場は、
蒼太が上手く杏子の気持ちを逸らしてくれたから、
彼女はハッと目覚めた気がして、
何だかひたすら平謝りをすることで終わったけれど。



・・






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