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今年の怪談はこれでお終いてす。

今年最後のお話を楽しんでくださいね。




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昂太はいささか苛ついていた・・・

わざわざ会社の有給休暇を取って、
趣味の史跡巡りをしていたのに・・。




「何だよ、ここ」




備え付けのクーラーは、
時たまプスンと音を立てて切れてしまうし、
トイレと一体型のバスルームには、
お湯が無いとかで水・・・。



盛夏だとしても、
ここは少し高原だったので、
まさか夜には冷た過ぎると思い、
来た早々、水のシャワーを浴びただけだった。



それは目的の古戦場付近に、
唯一あるような古いホテルだったのだが、
リゾートのカテゴリーに辛うじてあるものの、
実際には、ただの
サービスの芳しくないだけの古めかしいホテルだった。




「あの?確か夕食と朝食はあるって・・」




「ございます・・人員不足で申し訳ないですが」



・・でもこの感じだ、まさか・・
おにぎりと味噌汁だけなんてことは無いだろうな・・。



そう思っていたら、
ホテルのチェックインの際に迎えてくれた、
白い髭の支配人から電話があった・・。




「小さいですが
階下のレストランへお越し頂けますか
夕食の時間でございますので・・・」




良かった、これはまともだ・・・

正直、古戦場と民話の里に足を運んでいて、
昂太のお腹はぺこぺこだったからだ・・。




・・一階へ降りると、
こじんまりしてはいたが、
コテージ風のインテリアのレストランがあった・・。




席につくと、
すうっとひんやりとした空気に変わった。



『え・・・』




目の前に現れたのは、
サービスをしてくれるメイド服を着た女性だったが、
口数が極端に少ない上に、
彼女にまといつく空気が
冷蔵庫を開けた時のように冷たかった・・。




『おいおい、大丈夫かよ全く・・・』



何が出ると懸念していたが、
夕食は魚のバターソテーに、
焼き立てのパンや地元の野菜の温サラダなどが並び、
ようやくホッとすると共に、
彼の今日一日中の疲労もどっと出た感じだった。




が。。


部屋に戻ると、
今度は点いていたはずの照明がカチカチとなり、
嫌な感じでクーラーも停止した・・。




「う・・このタイミングで真っ暗か・・・」




電話で問い合わせると、
明日、照明を直すと言い・・
あのメイドが持ってきた卓上用のランプと、
足元のライトだけで一夜を過ごすことになった。



着いた時にも、
チェックインには初老の支配人らしき男性と、
メイドらしい彼女くらいで、
このシーズンなのにお客は昂太だけのようだったし・・



さらに、あまりに不思議な雰囲気ばかりだし、
トラブルが多いので、
気になって持参していたミニサイズのPCで、
『○○・地名』『ホテル名』『都市伝説』などのワードを入れ、
このホテルの評判などを検索し直してみた・・。




東京に居る時には自分で手配したのだが、
こんな古い宿とは思わず、

『ヤバいのか?もしかして・・
ほらよくあるじゃないか幽霊の出るホテルとか』

そんな疑問だらけに陥ったからだった・・。




・・だけど、
大手の旅行会社のサイトでも、
近隣のホテルや宿泊施設の口コミでも、
ただ古いのでサービスが・・というくらいで、
幽霊がいる、出る・・など、
内容に都市伝説めいた話などは見当たらなかった。




少し落ち着いたと共に、
ズン、と鈍い音がしてエアコンが戻った様子。


ひんやりとし、涼しくなったとたん、
昂太は深い眠りに落ちて行った・・・。


・・


次の日も予約もしていたし、
昼食は作ってもらえるとのことで、
もっと遠出をしようとしたら・・
初老のあの支配人がこう言った・・・。




「お客様・・くれぐれも日没前にお帰りください」



「え?・・何故?今日は七色沼まで行く予定で・・」




「無理です、くれぐれも、くれぐれも、
七色沼までは足をお運びにならず
どうか、くれぐれも日没前にいらしてください」



変だな・・と思ったけど、
支配人の『くれぐれも』があまりにも脳裏に響き、
再三、注意をされたもので気味が悪くなった・・。



昂太は、それから4WDのマイカーで、
昨日訪れた古戦場の北側を散策したり、
工程をややタイトにしてしまい・・
そして、彼の言う通りに『日没前』にホテルへ戻った。


・・



m(u_u)m ここでおねがいいたします☆


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ハート不思議なお話は何所にでもあります・・
↓今回はこのお話でいったん終了ですが・・




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もっと先を読んでみたい方だけどうぞ・・・☆





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「・・地鶏の赤ワイン煮込みでございます」



うわっ



夕べもだったが、
音もさせずにサービスが突然に始まり、
また夕食が給仕され、
レストランにまた、
メイドの彼女のひんやりとした空気が流れた・・。



「シェフの得意料理です・・・
隠し味に八丁味噌が少し入っております」




『え、八丁味噌・・これはどこかで食べたような?』



そこそこ似合うメイド服のために、
却って人形のような印象はぬぐえず・・
昂太はその雰囲気に馴染めないでいた・・。



さらに、
夕食はそれなりに満足が行くものだったが、
昨夜とは少し違う雰囲気が漂っている・・・。



・・何故だかあの紳士的な支配人が、
酷く狼狽えていたし、
メイドと厨房の人らが戸締まりに余念が無い。



昂太は昔、大きな台風が上陸するとかで、
父親や祖父がいつもは出さない雨戸を引き、
家中を見回りながら
およそ普通では無い戸締まりをしていたのを思い出した。




「あの~?
すみませんが何かあるんですか?
局地的な大雨の予報があったとか?」



支配人はこちらに顔を向け、
暗い怯えた顔付きで言った・・。




「来るんです・・

雨ではありませんがかなり局地的なことが・・・」




『来る?局地的に?』




・・ゴロロロロ・・・・・



その時、突然に雷鳴が轟いた・・



周囲が暗くなったとたん、
雷の閃光があちこりに閃き、
ドドンと何処かに落ちたようだった・・。




支配人はひそひそと昂太に耳打ちした。



「お客様、くれぐれもお静かに!
部屋の電気を全て消しますので」




「え!」




「シッ、静かに・・・」




辺りが急に寒くなり、昂太はぞくぞくとして来た・・・。



ドカンドカンという物音がして、
何か、人とも獣とも思えないような声がした・・。



雷の音は少し鳴り止んだようだが、
今度は雨足が強くなり、
真っ暗になったホテルの中でも、
ザーザーと音を立てて雨が降りしきっているようだ。



そんな中、
ガチャガチャと何か、金属らしき音がする・・・。



・・それは、一つの音では無かった。



ずるずると、またガチャガチャと、
うう、だのおおだのと
その中にうめく人の咆哮のような・・?




「にんげんはいねぇか・・」




「生きてるにんげんはいねぇかーー!」




「え?・・・」




・・とたん、ホテルの年老いた支配人が、
昂太にいきなり覆い被さって来た・・。



静かに・・・」




その何人もの集団らしき人間たちは、
ホテルの外壁や窓枠などを触っては鳴らし、
ガチャガチャと複雑な音が響いた・・・



「何?・・・」



「昔の武士の霊です、もう少し静かに」




ザーザーと雨音が強い・・・


ガチャガチャ、ガタガタ、
うおー!」とか「にんげんはいねえのかー!」
・・吠えるような声があちこちから聞こえた・・。



さすがに昂太は恐ろしくなり、
支配人や、メイドたちと共に床に伏していた。




『何なんだ・・これは一体』





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雨の音も、鎧の擦れ合う音も、
太い、獣じみた咆哮も消えたあたり、
ホテルの窓から、
うっすらと日の光が差して来たようだった・・・。




「助かりましたね・・」



「支配人、これって一体・・・」




「夏の・・いやもとい昨日は、
奴らが戦(いくさ)に負け
ふもとで集団で自害し果てた日だったのですよ」




「え?敗戦して集団自害・・

俺は、そんな日に予約したんですか」



昂太が、朝浅き薄日の中で、
床に伏した支配人を見た・・。




とたんに、床は歪み、
昂太はごうごうという物音と共に、
視界が真っ暗になったのを感じた。




・・・その時、
昔、聞いたような優しい老人の声が響いた・・。




『大体、あなたが
もう有りもしない宿を予約するから・・・』



・・



・・チュンチュンと鳥たちの鳴き声がする・・・



『え?・・・』



・・昂太は、
自分が運転して来た4WDの中で目が覚めた。




そこは今朝まで滞在したと思われた、
あの、不思議な雰囲気のホテル辺りだと思ったが・・。


彼は、あまりにリアルな、
二日のことを思い返した。
だけど、今は車の中に独り居るだけだったのだ。




『どうしたものなんだか・・』



腕時計を見れば、八月十六日・・・

昂太はそれから思い立ったように車を走らせた。


・・




「珍しいわね~
昂太がお墓参りに来てくれたなんて」



「うん、まあ久しぶりだし・・」



彼は、二つ隣の県にある、
母方の祖母宅へ足をのばしていた。

久々だったので、
ゆっくりした優しいお祖母ちゃんの話も、
あの後で心和んだ・・。



祖父が商社勤務で海外での暮らしが長かった祖母は、
パンを焼いたり、
お菓子を作るのも得意だった・・。
昼間に出してくれた心尽くしの手料理も楽しんだ。




「これって・・」




「ほら、昂太も好きだったけど、
お祖父ちゃんの好物だったじゃない・・
お盆も終わりだから作ってみたのよ」




キッチンの卓上には、
鶏の赤ワイン煮込みが並べられていた。



それを箸で切って口にすれば、
ほのかに味噌の香りがした・・。




「ああ・・そうだったのか・・・」





『・・あなたが有りもしない宿を予約したから・・・』





昂太の耳には、
古戦場での霊体験めいた、
夕べの恐ろしいホテルの出来事と、
最後に聞こえた初老の支配人の声が思い出された・・。






『・・ありがとう、お祖父ちゃん・・』





・・




すみませんワタシは占い師


・・・怪談は今季はこれで・・・

。。






 
ハート管理人は古戦場には行きませんが
怪談と思えば怪談ではあります・・・




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^_^;いかがでしたでしょうか・・・?

ご感想などなどお待ちしております。

変換ミスは読んでおいてくださ~い☆




08/29|*占い師の実話に近い怪談話*コメント(6)TOP↑
この記事にコメント
ちょっと、あ~…と思いました。
旦那がそれと似たような名前の沼に行って、憑けて帰った事があったので。
今年のお盆は私は死霊は大丈夫でした。
それよりは念とか生霊のほうで忙しいです。
涼しくなってきたので、怪談もおひらきになりますね。
From: サエコ * 2011/08/29 01:33 * URL * [Edit] *  top↑
またまた
またまた怖いですね~ブルブル
それにしても、この男性・・戦跡地とかに行ってるから
なんでしょうかね・・・
mechaさんのお話を聞いてからは、私はそういう所に行こうとは思わなくなりました・・怖いです
From: ゆうゆ * 2011/08/29 14:45 * URL * [Edit] *  top↑
こんばんは!
おお~っ!
僕の好きなタイプの怪談です!
怖かったです!
ちょっと耳なし法一っぽいのがいいです!
守ってくれたホテルの支配人がお爺ちゃんだったんですね!(^o^)
From: おもちゃのひろくん * 2011/08/29 23:49 * URL * [Edit] *  top↑
- My Dear コメントをくださった皆さん -
v-277v-280こんにちは(゜▽゜*)~☆
台風のストライクゾーンになる予想で戦々恐々としている被災地です^_^;
天気は人が予測できるものでもないので気をつけてくださいね☆
(短めなレスですみませんが・・・)



v-22サエコさん☆
ヾ(・◇・)ノ水系にはいろいろとありますのでね~~。
お盆に何事も無くて良かったですね、生霊は本人は知らないらなー。
涼しくなると怪談もどうかと思うもので、また来年があれば来年に☆



v-22ゆうゆさん☆
(××)ξ怪談だとワタシのアドバイスの真逆を書くことになりますねー。
今は歴史ブームだとかで古戦場などに行きたがる方も多くて^_^;・・。
いわくありげな場所へは行かないことですね、とりあえずは☆



v-22おもちゃのひろくん☆
(^ー^)あ、好みのお話がラストで良かったです~。
耳なし芳一のほうが圧倒的に怖いですけどね・・・。
そうです、彼が予約した段階からお話が始まっていることになります☆
From: 占い師mecha * 2011/08/30 18:51 * URL * [Edit] *  top↑
うはは(笑)
複数あるんですが、一人は○○らな~って語尾の癖がある人で(笑)
関係者各位、特有の状態になっているんでわかりやすいですが、お気の毒な状態ですね。
1日10時間くらい働いてるもんでクタクタでしたが、時々mechaさんの気配を感じてましたよん。ありがとうございます。
From: サエコ * 2011/08/30 20:44 * URL * [Edit] *  top↑
- My Dear サエコ さん 2 -
v-22了解です、お疲れ様です。
From: 占い師mecha * 2011/08/30 22:23 * URL * [Edit] *  top↑
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プロフィール

☆ 占い師 mecha

Author:☆ 占い師 mecha
一応ちゃんとした「占い師」です。

究極のサービス業&人生相談なので
普段は勝手気ままは出来ませんが
ここでの勝手はお許しを~。


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↑「マリアの京都*フォト日記」
~のマリアさんに作って頂いたアイコンです(^^ゞ
いや・・本人には会わないでください。

     
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