夏の夜の怪談話「家庭菜園」やや長編
2013-07-14 Sun 00:35
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今年も夏恒例の『実話に近い怪談』を、
不定期ですが書いています・・

自分の感覚がマヒしているのかもしれませんが、
今一つ、怖いのか?分かりません。



どうしても長めになってしまいますが、
興味のある方は一読頂ければ・・。





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彼女の裏庭は二年前に家庭菜園にした・・。




裏庭のすぐ裏手には雑木林があったが、
物騒な場所では無かったし、
林は家に静けさを与えてくれてもいた。




二年越しの畑には、
特に夏はきゅうりや茄子、
トマトなどの夏野菜には事欠かず、
獲れ過ぎる時にはご近所にお裾分けをしていた。




十年くらい前に夫と今のマイホームを購入し、
美咲は家庭を守る立場で、
三十代も後半に差し掛かったが、
見た目は若々しく、
特に家庭菜園を作ってからというもの、
年齢が逆戻りをして行くようでさえあった。





「あなた、行ってらっしゃい」




「・・ああ・・・」





・・反して寡黙な夫の和真は、
私鉄で30分程の通勤距離にある、
特殊な研究所へ勤める専門職に就いていたが、
寡黙さが最近、ことさら強くなった気がした。




『お義母さんだわ、
お義母さんがまだ帰って来ないから・・』





美咲には和真と一息子の伶、
そして和真の母親である
姑の早代子が同居していたのだが・・




早代子はふらりと行き先も告げずに、
独りで旅行に行くようなタイプで、
これまでは何のトラブルも無かったし、
中学に入ったばかりの息子へも過干渉することも無く、
食事にも煩い訳では無かったので、
ほぼ適度な距離感が保てていた・・。





が・・


少々、母親に傾向しがちな息子、
夫の和真はそれが面白くは無く、
度々家を空けるのは美咲が、
自分が不在の時にあまり上手く行ってはいないと、
半ば勘違いをしているかのようだった。





「でも今回は長逗留だわね
お義母さん、本当に気ままなんだから」





今日は青々と葉を繁らせた紫蘇の葉を収穫し、
毎日何枚も獲れるからお隣に差し上げたばかり。




菜園は心なしか昨年より状態が良く、
茄子の紫の艶やかさも違う気がした・・。




夕飯にその獲れ立ての茄子を揚げ煮にし、
冷たくマリネにした一品を出したのだが、
読書部という、夫の趣味と同じような
部活から帰った息子の伶が、
美味しそうなマリネを目の前にこんなことを言った。





「・・茄子、あまり好きじゃないんだ・・」




「え?茄子が?それともマリネしたのが?」




「茄子が・・・」




最近、伶は小学生の頃とは違い、
当たり前なのだろうけど、
反応が薄く、殊更に父親の言動を彷彿とさせた。




茄子のマリネだけを残し、
白身魚のフライだけ食べて二階へと上がったが・・



気になる言葉を美咲に残した・・・




「・・夜中にさ・・
林から音が聞こえて来ない?
音と、女のの声がするみたいなんだけど」




「やめてよ、そんな変なこと言うの」





「昨日も、一昨日の夜中も・・
お父さんが帰って来ない夜はいつも」




「そんな、まさか・・・」





伶は美咲の訝しげな反応を見てから、
さっと二階へと姿を消すような感じで・・。




美咲は特に、
この一年で態度がガラリと変わってしまった
思春期の息子に少々手を焼いていた。




と共に、屈託の無い笑い声が常にあった、
昨年までの夕食の彼の顔が思い出された・・。




「・・男の子は難しいわ
でも、女のの声って・・何故?」





少し悶々としながら、
次の日に家庭菜園で畑仕事をしていると、
今日は一段ときゅうりが大きくなっている。
数本をもいで夕食に何かを作ろうと思った・・。




菜園を引き上げようと、
畑用の鋏や下草を払う鎌などを戻そうとすると、
菜園のあちら側からキラッと光が見える。




「何かしら?・・・」





近寄ってみると、それはピン、
髪に使うヘアピンのようで、
昨日まで気が付かなかったのもだけれど、
が身に付けた品らしかったので、
ちょっと嫌な気分になった・・・。





「・・こういう時に
お義母さんがいてくれると気が紛れるんだけど」




そういえば、今日は・・
姑からの簡単な手紙がポストに入っており-




『あれから、美咲さんの気分はどうですか?
体調など崩していないのかしら?』




何度か読み返してみても、
美咲には意味不明な内容が綴られていて、
最後にはこう締めくくってあった・・。




『誰にも判られないよう祈っています
同じ立場の私はもう少し外泊していますので・・』




・・同じ立場?って・・・




何だろう、この判っているような、
全くそうでは無いような既視感は・・




美咲は、スワロフスキーが付いた、
キラキラと光るヘアピンをエプロンのポケットに入れ、
部屋に戻った時に、何気にリビングの棚に置いた。


・・






m(u_u)m ここでおねがいいたします☆

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ハート・・そう怖くないと思います・・
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・・夕食にはもぎたてのきゅうりやトマトで、
伶の好きなサラダを作ったが、
伶はまた、野菜の料理になると、
ある程度箸をつけた後にこんなことを言った。




「お母さんはきゅうりが
変な味がするの分かって無いの?」




「え?・・」





「昨日の茄子もだけど今日のきゅうりだって」




「具体的にどんな変な味か言ってよ」




「分からないならもういいよ・・」




それからまたこんな言葉を・・





「お母さん、夜に聞こえないの?

何かを打つような音と女のの・・」




「打つって・・気味が悪いから
言わないでよ、そんなことばかり」





・・息子の伶は冷やかに彼女を睨み、
そして二階の部屋へ行ってしまったが。




それから、夫が珍しく早く帰宅した・・。
食事も食べると言うので、
先程のサラダや他、夕食を出してみた。





「あなた、そのサラダ、味はどうかしら?」




「え?普通に美味しいけど・・」




「ねえ、変なことを聞くようだけど
裏庭で夜中に音がしたり声がしたり
そういうの聞いたことがある?」




「・・・無いよ、風呂入る」





言葉少なめながら、
久しぶりにまだ機嫌の良いような和真は、
美咲の手料理を伶の分まで平らげたのだが・・
途中の音の話で嫌悪を顕にした。





それから-


お風呂をとキッチンの椅子から立ち、
リビングを通った時に小さく「あっ」と驚いた声が。




美咲は後ろ向きで片付けをしていたので、
その小さな声の意味が分からなかったけれど、
数日後に・・リビングの棚に置いていた筈の、
あのヘアピンが無くなっていたのに気が付いた。





「え、あのが、何故かしら・・」






・・その後・・・



何日かしてから、
姑からまた不可思議な手紙が届いた。



封を切ると、
文面は更に理解がし難い内容で-




『・・美咲さん、
意を決して気持ちを伝えますが
これから帰るようにしますので・・
それから、二で考えましょう・・』




何のことだろうか・・・


で、意を決して先を考えましょうとは・・?





夕食が終わったテーブルには、
伶が食べ残した今日の冷たいパスタのお皿に、
美咲の自家製トマトが数個あった・・。




家庭菜園で見付けたヘアピンが、
リビングの棚から無くなってから、
夫の和真の帰りが、また遅く変わった・・。




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・・その夜のこと・・・




深夜に変な音が聞こえ、
美咲は冷や汗で目が覚めた・・・。




それは、
家の裏手の家庭菜園のある、
庭の方から聞こえて来るようだが・・




カシャッとか、
ガチガチといった音がして来て、
彼女はちょっと怖くなり・・・





『伶が言ってた音ってこれかしら・・』




隣の部屋で眠っている、
息子の伶を起こしてみたが、
深い眠りのようで、ぴくりとも起きはしない。




彼女は仕方がなく、
昔、伶が遊びに使っていた木のバットを手にし、
ゆっくりとキッチンの裏手から裏庭へと・・




同時に手にした懐中電灯を、
音が聞こえる方に向け、
雑木林があるための暗さの中を歩いたが、
裏庭の途中に・・
何本かの長い釘が落ちているのを見付けた。




『釘だわ・・・』





それから、
ガシッガシッと音がする方へ灯りを向けた・・




「誰!誰か居るの?」




薄い灯りの先には、
大きなスコップを手にした夫の和真が・・




「あなた・・何で?」




「美咲、こっちが聞きたい・・

この藁形は何だ?
この畑の盛り土は何だ、分かっているんだ」





・・その時、美咲は、
突然にぐらぐらとするような目眩に襲われた・・




雪崩のような記憶が一気に、
津波のように押し寄せて来るのを感じた・・・。


・・




「和真さんの・・

つまりお付き合いさせて頂いています
私、瑶子と言います・・」





・・去年の盛夏だった・・・




自分よりも一回りくらい若い女が来て、
その女が、
彼の代理でなどと別れ話を切り出したのだ。




赤に近い派手な髪の色と、
胸の露出度も高い黒のマイクロミニを着た、
いかにも男好きするような女だった。



赤茶のカールしたヘアに、
キラキラ光る髪留めを見て嫌悪感が走った。




・・それから・・・



・・当然のように口論となり、
言い争った挙句に咄嗟に首を絞めた、



それから・・彼女は息耐えて、そして?




いや・・待てよ、その前が・・・




裏の菜園の奥、
形に五寸釘を打ち付けた、



・・夫の浮気が本気に変わり・・・




雑木林で人形に釘を打った、
和真が帰って来ない日には必ず・・




悔しかった、悔しくてそれで・・・


その後にあの女が押し掛けて来たのだ。


・・




「美咲さん、どうしたの!」




姑が・・リビングに入って来て、
女がぐったりしたのを目の当たりにし、
二人で裏庭の菜園に穴を掘ったのだ・・。


・・





「美咲、出頭しよう俺も行くから」




「嫌よ、嫌、嫌なのよ!」





・・ぐらぐらという目眩に飲まれ、
更に美咲の記憶はぷっつりと失われた。



・・





「美咲さん、
私はこれから違う場所に移るから
特別に一度だけって言われて・・」





細かな網の目のような、
透明の壁みたいなあちら側には、
何処か見覚えのあるような初老の女性がいた・・。




「・・逃げててごめんなさいね、
私が、あなたより先に出たら○○と来るから」





美咲は薄ぼんやりした意識の中、
その女性の言葉が理解出来ないでいた・・。




何時しか
「時間よ」と促され、また違う小さな部屋へ。





・・美咲は思った・・・



明日は裏庭の菜園で茄子を獲ろう、


いや、待てよ、伶は茄子は嫌な味と言っていた・・





「え、○○と来る?・・・ 嫌、嫌よー!」





「結城さん、
静かにして!また注射は嫌でしょう・・」






・・姑の早代子を乗せた、
灰色の警察関連のトラックはその建物を後にした。




通過する、その門にはこんな看板があった・・




 『○賀町 医療刑務所』




横目にした早代子は深いため息をついていた・・・。




「こんなことになる前に・・
どうにか食い止められなかったのかね・・・」




・・






すみませんワタシは夏は怪談を書く占い師


・・・怪談も続くかも・・・

。。








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(゜▽゜*)いつも最後までありがとうございます。

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こんばんは!
女の執念・・・ってか怨念が怖いのか、浮気をする男が悪いのか・・・

いよいよ怪談の季節がやってきましたね~!

僕もぼちぼち考えなきゃ・・・
2013-07-15 Mon 21:52 | URL | おもちゃのひろくん #-[ 内容変更] | top↑
- My Dear おもちゃのひろくん -
v-22(゜▽゜*)こんにちは~☆退院、おめでとうございます~。
そうですねー、基本は怖いのは人間・・というテーマ(^^ゞなので、
そうした男が悪いのか、こういう女がどうなのか?・・
それだけではありませんが、また秋まで何度か書いてみます。

♪ヽ(´▽`)/ 妖怪フェアなんかだったら嬉しいですー。

2013-07-15 Mon 22:13 | URL | mecha☆ #-[ 内容変更] | top↑
 
 
 
 
 
 
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