夏の夜の怪談話 「鎮守の森」
2014-07-16 Wed 00:41
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今年も手が動くまま、
怪談のお話を書いてみたいと思います。



怖さへの感覚は人それぞれだと思いますが、
不定期のお話にお付き合い頂ければ・・。




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 「鎮守の森」






紗智子は晴れて待望の住まいを購入した・・。




彼女と夫の裕(ゆたか)は、
何年か前から新居を買うへく、
二人で共働きをしていたのだが・・。




築年数は十年あまり経っていたマンションだが、
全戸南向きな上に、
耐震構造もきっちりしていて、
若い二人に子どもが出来ても、
部屋は確保が可能なくらいの間取りだった。




手続きもローンの申請も終わり、
転居が利いたのか、
彼女は引っ越しをしたとたんに、
浮き浮きとした気分になった・・




縦ストライプの幅が広い壁紙は、
ウィリアムス・モリスの「リリイ」をモチーフにした、
重たくなく、でも何処にも無いような柄だ。




フレンチカントリーテイストの具も、
最初からそこに存在していたかのようで、
考えていたインテリアは夫にも好評だった。




割と大きなバルコニーには、
ささやかながらプランターを入れるつもりで、
ラディッシュやミニトマト、
料理や好きな紅茶に入れるハーブの苗木は、
既に一部を植えていた・・・。




それは2Kのアパートでは、
やはり感じられない特別感でもあり、
支払いは山ほどあったにも関わらず、
とりあえず目の前にある穏やかな幸せに浸っていた。





・・ごくたまに、
かすかなノイズのような音が、
壁づたいに聞こえるのは、
自分がマンション住まいは初めてなのか


気のせいなのか・・




その辺りくらいだった、
神経質な性格の紗智子が感じた事は・・。


・・




引っ越しをして、何ヵ月か経った頃だった。




彼女には違う階に住むという、
似たような夫婦と知り合った・・。




購入したマンションの付近には
小学校と中学校があったのだが-



首都圏のように取り立てて
お受験という文化が根付いている場所では無いし、
地方都市にありがちな、
住む学区に義務教育の学校がある感じだ。




自分たちに子ども・・といった場合、
その辺りも予め調べてはいた二人だったけれど、
陽当たりの良い三階のバルコニーからは、
元気に通学する小学校の生徒たちが見えた。




知り合いになった二人には、
そんな近隣の小学校に通う女の子がいて、
何度か夫婦単位でお茶をしていたら、
とりあえずは女の子と仲が良くなったのだけど。




とりあえずと言ったのは、
知り合いのご夫婦の慣れた感じとは違い、
小学校の四年生だという女の子は、
かなり人見知りをする性格だったのだ。




「麻里花ちゃん、あれ?・・・」




今日も下校途中の彼女を見かけ、
何気無く声をかけたのだけど、
薄いクリーム色のワンピースを着た彼女は、
無表情でひらりと身をかわしたように、
紗智子が歩いていた方向とは
違う方へと行ってしまった。




『・・まあ、何時もの事だけど』




こうも両親とイメージが違う子も珍しいと、
反対に彼女に慣れるまで時間がかかった・・。




あまり気にしてもいなかったのだが、
次に彼女と会った際に、
耳慣れない言葉を言っていたので、
それから気になり出した・・・




「おばちゃん、何か 出ているよ」




「何か・・出ているって・・・」




紗智子はくるくると身の回り、
麻里花の言った『何か』を思わず探してしまった。




『やだ、何でこんな事してるのかしら』




最初は小さな女の子の気紛れな言動だと思った。




が。。



それから、麻里花は会う度に、
不思議な言葉を投げ掛けた・・・




「おばちゃん、音がするよね?」




「え・・・・」





それは曖昧だけれど、
まるで違うような生き物でも見るような?・・




更に最初に引っ越しをして、
彼女自身が気になっていたノイズの事なのか・・




「麻里花ちゃん、ねえ、何が見えるの?


聞こえるって何の音?」




何度か彼女に問いただしてみても、
無表情な顔にうっすらと笑みを浮かべるだけだった。




『なんか・・変な子だわね、でも音って・・・』



・・



それからまた何ヵ月かが過ぎた辺り-



マンションの管理人から、
いや、大元の管理者と思われる会社から、
ちょっと理解し難いチラシが入っていた・・。




『一部、改築するためのお知らせ』




え、改築って・・・



・・





m(u_u)m lここでおねがいいたします☆


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ハート追及と言いますか・・
↓書いているのは現実性のあるお話です




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↓やや長いので恐縮ですが興味のある方は・・・☆







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ちゃんとした名の知れたメーカーだったし、
耐震構造だって、
条件への説明だっておざなりではなかったけど。




紗智子は何だか闇雲に嫌な予感がして来た-




それと言うのも、
仲が良くなった夫婦、麻里花の母親から、
先日、ある事を聞いていたからであった。




「ねえ、紗智子さん、
最上階に住んでいる人の話を聞いたことってある?」




「え?・・最上階って、
ちょっと私たちと違うスペースのお宅?」




「そうそう、深見さんて言うらしいんだけど
何でも、このマンションのために、
祈祷師にお祓いに行ったとか・・
そんな噂が立っているらしいのよ」




「このマンションって・・何でかな?
マンション全体のって何か引っ掛かるわよね」




「お祓いの理由とか分からないけど・・
何だか、ごめんね、こんな事言っちゃって」




「え、あ、良いの・・でも何でなのかしらね」





・・そんなお茶ついでの会話だったけれど、
その後にチラシが入っていたので、
紗智子には尚更、胸騒ぎのような感じがしたのだ。






「ねえ、裕、チラシ読んだ?
改装とかなら分かるけど、
改築って何だと思う?一部って何処とか・・」




紗智子の夫の裕は、
ようやく金融関係の仕事で、
三十代初めには異例の抜擢だとかで、
とあるセクションの係長になったばかり。



・・なので毎日、
新たな勉強と残業で多忙を極めていた。




当然、返答はタブレット端末を見ながらで、
「一部なら大丈夫なんじゃないの」といった生返事。




期待はしていなかったけれど、
一応は世帯主としての意見を
聞いてみたかっただけだったのだが。




『・・忙しいんだから仕方がないわね・・』





折しも・・・



学校では夏休みが始まったようで、
紗智子は麻里花の両親から、
旧盆辺りに一泊で旅行に誘われていた・・。




多忙な彼へとついでに打診をしたら、
その日は休みであっても、
半日は出社しなくてはいけない日だとかで、
結局は彼女だけがあちらのファミリーと、
県内にある山のペンションに行く予定になった。





。。



これが明暗を分ける事になる旅とは、
その時には彼女には分かる筈も無かった・・・。





その週から、一部だという改築工事は、
静かに始まったようだった・・・。




始まったようだったというのは、
よくある建築会社のトラックが来て、
資材とか機材は運ばれたようではあったが・・




実際にさして騒音も無く、
改築といった風な大々的な感じでは無いかのようで。





紗智子はもちろんだったけれど、
麻里花ちゃんの両親も、
有るのだか無いのだが分からない、
特殊な祈祷師の噂話までもが、
まるで何も無かったかのような静まり返り方でもあった。





「ねえ、牧場のショップで昼ごはん食べようよ
特濃ジャージー牛のソフトクリームだって・・
帰りにチーズ買って、
行けない旦那さんとワインパーティーしましょう」




心配性な紗智子も麻里花の母親の天真爛漫さが、
時々、羨ましくもあり、
更にとても救われた気持ちにさせてくれていた。




さすがに・・・




「麻里花ちゃんはバーベキュー、楽しみだね」




そんなレジャーの話をすると、
麻里花は珍しくニッコリと笑った。




「今回の高間が原の高原のペンション、
麻里花が行きたいって言ったの、


ね、麻里花・・
紗智子さんも絶対に一緒が良いって」




ニッコリと笑った麻里花は、
更に紗智子を見て、再び笑った・・・。




『・・そうなんだ、


私、嫌われているって思ってたけど・・』





気を良くした紗智子は、
それから・・改築というチラシの内容も、
何処でどのように工事が進められているのか、
本来なら不穏な空気を察知してしまう事にも、
お盆の高原一泊の旅へと意識が代えられていた。


・・




その日は晴天だった。




何時に無く紗智子は楽しい気持ちになり、
夫の裕へは、
仕事帰りに帰宅後に食べるようにと、
レンジで温める料理を冷蔵庫の中に入れた。




「さて、これでオッケーだわね」





多忙な夫へメモを残し、
それから彼女は、
一階にあるマンションの住人用多目的ホールで、
待ち合わせていた一と合流をした・・




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その頃、マンションの管理会社と、
分譲のために宅地造成をした会社の何人かが、
地階の
とある場所で沈痛な会話をしていた事に、
もちろん、誰も気付いてはいなかった・・。





「どうした訳だ、何で土台が・・」





マンションの建築会社とその関係者は、
もはや、やるべき事はやり尽くしていた・・





「先月には分からないように
土台を改修したのですが・・教授、これは・・」




「もはやこれは私の管轄では無い
此処は以前には大きな神社の跡地だったと・・」





「お祓いも、地鎮祭だって、
地域の神主から何から呼んだんだが・・」





「民俗学の管轄の内容だよ・・
罰当たりというやつだ、


そもそも、
広大な鎮守の森に一般人の住居なんて
前にはきちんとした市民の公園だった場所なのに」





・・先月は土台の支柱の片側が全て消えた・・・




片側だけが消えていても、
どうした作用なのか?
この表面上は土台が傾かないというのは一体?・・




建築工学の、
著名な大学教授をしても分からない現象が、
紗智子のマンションの地階で起きていたのだ・・。




・・・そして、その時だった・・・・





 「あ!





 「う・・・!





地階に居た何人もの関係者は、
その時、ごうっという、
海鳴りのような巨大な音を聞いた・・





次には、ゴウゴウという地鳴りと共に、
近代建築の粋を集めた
耐震マンション自体が大きく傾(かし)いで、




・・そしてあっという間に、
ガラガラと音を立てて崩れ落ちて行った・・・



・・




「危ないよ、


音がする、音が聞こえるよ、ママ」





高原のペンションへ向かう途中、
突然に麻里花が叫び、
それから、
車のワンセグのテレビに映し出されたのは・・





「番組の途中ですが、ニュースです!


倭太子町の大型マンションで事故です、
マンション自体が崩れている模様で


現場の乾さん、大丈夫ですか、
中継、お願いします!」




・・それは紗智子たちの町、その住まい・・・




車を脇道に停めていた、
麻里花と両親と、そして紗智子は、
成すすべも無く呆然と、
ニュースの画面を見つめていた・・・




泣きじゃくる麻里花が、
しゃくりあげながら言った言葉を、
誰もが聞き逃してしまっていたのだが・・





「お、おばちゃんは護り狐の化身だからって、


だから助けろって・・・


声が、声が・・・・」



・・








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・・・続くかも・・・

。。








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