夏の夜の怪談話「気弱な友達」 やや長編
2014-08-11 Mon 00:38
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 「気弱な友達」




緋文(ひふみ)にはちょっと心配な友達がいた。




中学校からの親友で、
天然ぽいイメージだった友達なのだが、
最近、一昨日のお父さんについで、
春先にお母さんまでが亡くなり、
流石に精神的には参っているようだった。





彼女、親友は鞠子(まりこ)と言ったが-



・・以前は看護師もしていて、
今は・・保母の仕事に変えていたけれど、
生活の面で困るような事にはならないようだった。




元々、現代には珍しい天然どころか、
一歩も二歩も下がる消極的な行動は、
天然記念物的な女の子といった感じなので・・




他の友達たちも、
中学校の時から変わらず、
そんな彼女へは、
思わず手を貸してしまいたくなる存在だった。




いくら生業があったとしても、
鞠子という人の存在自体、
か弱いと言えば良いのか、
そこそこに良い家庭で一人っ子だったもので、
がつがつとした意欲というモノに欠けていた。





「仕方がないわね~・・
あなた、手続きはもう終わっていると思ってた」




先日も緋文は、
お母さんの死語に出さなくてはいけなかった、
ある公的な書類の事で、
自分の知り合いの司法書士を紹介していた。




「また始まった、緋文の仕方がないわね~が」





そんな事を言いながら、
少しチークでも頬に入れたような、
ちょっぴりふっくらした赤っぽい顔が、
崩されてニコニコしているのを目の当たりにすると、
何だか癒し効果があるようで憎めない・・。




「あ、そう言えば・・
最近、隣町界隈で妙な事件があったみたいよ」




「え?どんな事件?」




「・・何でも・・・」




緋文は新聞と地方版のニュースを見て、
生理的に気分が悪くなったのを思い出した。





「緋文?具合でも悪いの?」




「あ、ごめん、ちょっと・・・
動物、ペットの犬や猫から
血が抜かれていたとかって、
変な事件だったみたいでね・・


今は変な事件が多くて困るわ・・
人間じゃなくて良かったけれどね・・」




「嫌だ、気味が悪い、止めてよ」




「いや・・心配なのは鞠子なのよ、
今は独り暮らしになっちゃったから
変な事件とかに巻き込まれ無いようにね」




その時、鞠子はまた、
にっこりと眩しい笑顔を向けて、
頼り無げに笑っていたのだけど・・・。


・・




それから、
血を抜かれた動物の痛ましい亡骸が、
新しくニュースになるような事は起きなかったが-




今度は夏休み中の小学生が、
学校のプールの帰りに、
何者かによって連れ去られる事件が起きた。




緋文は家族と同居しているから、
何かがあれば、父親や、
いくら頼り無くても大学生の弟が、
最低限は然るべき機関に連絡をするとか、
迎えに来てくれるとか・・・



全く男手が無いよりは、
数段、マシな気分にはなれていたのだが・・。




相変わらず独り暮らしの鞠子は、
あのまま一人っ切りで生活をしているので、
ついつい会社の帰りに寄り道をしていた。





「コンビニのお弁当とサンドイッチだけだと、
炭水化物ばっかりになるからって」




緋文は何日か前に、
沢山作った母親特製のビーフシチューと、
会社途中のデパートで買った、
糠漬けの盛合せを鞠子に差し出した。





「悪いわね~、でもこの間の
チキン煮込みもとても美味しかったわ
お母さんに宜しくお伝え下さいな」




「誉められれば母も喜ぶわ・・」





・・その時、緋文は、
余り新しくは無いような、
何処かで聞いたようなノイズを耳に感じた・・。





「ねえ、何の音?なんかこう・・」




「音?気のせいだと思うけど」




「そう?ブーンて、
蚊とか蜂が何匹か飛んでるみたいな」




「この間から変よ、緋文ったら嫌な話ばかり」




「あ、ごめんなさい、そうよね悪かったわ」





親友の心配だけではなく、
幾度か彼女宅に来ていた訳は・・




緋文が落ち着かなかった理由は、
友達の由紀恵が、
鞠子を偶然に目撃した事を話された時に、
更に不安に掻き立てられるようになったからだ。





鞠子の母親の葬儀が終わり、
同じ中学校の同級生だった由紀恵と、
納骨は済ませたという、
彼女の母親の四十九日の焼香の帰り道・・



由紀恵が喫茶店にでも入らない、と、
お茶に誘った時の話が原因でもあった-





「・・あなたさ、
何度か鞠子の家に行っていたわよね?
何か変な事に気付かなかった?・・」




「え、変な事って・・
あれから何度か行ってみてはいるけど
特に何にも今のところは・・」





そこは、
よく鞠子の家に遊びに行った帰りに、
この由紀恵や他の友達ともお茶をした、
くすんだ茶色のインテリアに・・


何時の時代かは判らなかったが、
西洋骨董が品のよい喫茶店だった・・。





彼女の問いただしのような言葉に、
普通に感じた事を伝えると、
テーブルのあちら側の由紀恵の顔付きが、
眉間に皺を寄せて歪んだ・・・





「あの人、今、
新聞なんかでも問題になってる
新興宗教に入信したらしいのよね・・」




「え?・・・」



・・






m(u_u)m ここでおねがいいたします☆



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聞けば、由紀恵の知り合いが一年前に、
無理矢理に入信させられ、
それからその旦那さまが弁護士を立てて、
ようやく脱会させたという、
いわゆる危険なカルト教団で・・




彼女、鞠子が何度か、
そのカルト教団のメンバーと、
教会の建物の中に入って行ったのを、
たまたま別の友達が見付けていたらしかった。





「でも、まさか鞠子だっていう証拠って・・・」




「私だって信じたくも無いし・・
自分の目で見た訳じゃないけど
あの教団の執拗さって並みじゃないみたいで・・」





「何も聞いて無かったわ、私・・・
まさかって思っちゃうけどな・・」





「知り合いの奥さんだって、
普通のしっかりした女性だったのによ・・


もしかして、
見たのが一度では無いなら
あの人のおっとりした性格とか、
今のご両親が亡くなった後の憔悴の仕方なら
分からなくも無い感じがしたのよね」





それから-



緋文はそれとなく、
鞠子の家に行っていたのが、
問題のカルト教団の事ばかりが頭を過り、
何時かはちゃんと
彼女に聞いてみたかったのだけど・・・。





新聞の小さな記事を、
幾つか遡って読んでみれば・・



現代の神隠し事件から始まり-


あの、動物の血が抜かれた事件ですら、
裏付けは無いにせよ、
教団のある住所付近での多発・・



マスコミに書かれた後に消え去ったこと-




教団の特徴が、
70年代に流行ったブラックマジックをベースに、
不気味なオカルト的要素を含んでいたため、
緋文は読めば読むほど、
闇雲に不安感が増して行ってしまった・・。




が・・



それから何度か足を運んでみても、
たまにノイズのような音が聞こえただけで、
あのカルト教団の
使いそうなアイテムは見当たらなかったし・・



実際に鞠子本人は別段、
少し的が外れたくらいの人間性や性格も、
これまでとは何ら違いが無い気がしていたが・・。






・・だが、その日は唐突にやって来た・・・




緋文はまた、
母親から託された料理を持参し、
でも、出来るだけ
少々、頭でっかちになりがちな自分をいさめ、
鞠子の家を訪れていたのだが・・・





「変わらない?体調とか
ようやく涼しい風が吹いて来たけど・・
勤務先にも行ってるよね?
これ、いつも飽きちゃうかもしれないけど」




「あら、悪いわね、ありがとう・・
な筑前煮とだし巻きかな、美味しそうだわ」





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おっとりした
はにかみがちな笑顔も変わらず、
その時は緋文もほっとしたのだが・・・




その時・・・


一度、聞こえなくなっていた、
あの変な
低い蜂の羽音が、また耳に響いて来たのだ。





「ねえ、何か聞こえるよね・・

何処かから、変な音が、鞠子・・」





「・・また、変よ緋文ったら」




・・ブーーン・・・




 ブウーーン・・・





「嘘よ・・・」





緋文はこれまで抑えていた負の感情が、
どっと湧き起こってしまった・・




つかつかと、
その蜂の羽音がするような、
生理的に受け付けないノイズの聞こえる方へと、
部屋のドアを開けて進もうとしたら・・・




その時、ガッと、
男のような強い強い力で右腕を掴まれた。





廊下に出て、
以前にお焼香に来た時の、
ご両親の仏壇のある部屋の方へ向かった時だった。




掴まれた腕の、
掴んだ人間、後ろの鞠子を振り返った-





「余計なことをするな」




おっとりした顔付きが瞬間で、
まるで違った顔に変わった・・・





「ま、鞠子・・・」




昔、お寺で見た、
地獄の小乗界に堕ちて行く餓鬼のような



般若の面のような・・・



が、緋文は腕をほどき、
さらに強い力で彼女を、いや、鬼を押し退けた・・・




ブーーン・・・




バッと開いた障子の戸の先に、
見た事が無い巨大なコンテナのような、
黒みがかった冷蔵庫が目に入った・・・





「止めろ!開けるな!」





鬼を振りほどき、
冷蔵庫の扉を開けた緋文が目にしたのは・・・




プラスチックのバケツに入れられた、



幾つかの赤錆色の液体・・・




腐った異様な臭いが、
緋文の鼻から、体にまとわりついた・・・





「う・・・」




幾つもの血のバケツの横には-



死んだ人間らしきモノが見えた・・




が、その時、緋文は
鈍器のような物でいきなり後頭部を打たれたのだ。





「お前も 中に入れてやる






「鞠子、まり・・・」




・・・




長い長い悪夢を見ているかのような、
そんな船酔いの中の気分で、
鈍痛が頭中を駆け巡って、
緋文は、目が覚めたようだった・・・





「緋文、緋文、良かった、生きてた」




どうやらこの独特の白さは、
消毒薬や薬品の匂いは病室のようだった・・。





『・・・病室、病院・・・ひぃっ!・・・』




「緋文!」




以前に看護師だった鞠子を思い出した、



鬼のような顔付きを・・・




・・まだ果てしなく続くような悪夢の中、
ようやく少し
まともな会話が飲み込めるようになったのは、
緋文が救急車で運ばれた一週間後だった。





「・・何でも、
静かな筈の鞠子さんのお宅に
有り得ない夜中に灯りが点いていたとかで、
隣の人が通報してくれたらしいんだが」




とつとつと気遣いながら話す、
緋文の父親から聞いたのは、
事の顛末の中身だったのだが・・。





あの、おぞましい夜-



運ばれた緋文の後から、
警察が調べた内容は、
鞠子の家にはやはり大きな冷蔵庫があり、
血の入ったバケツや人間の姿は、
血を抜かれた動物や、
帰宅途中に誘拐された
新聞でも騒がれていた事件の末路らしかった。





「何でも、母親の御霊を呼ぶためだとかで」




カルト教団、幾つかの事件、



彼女の冷蔵庫の中身・・・





「それで・・鞠子は?」




「冷蔵庫の前で息絶えていたらしい・・」




・・それは・・・



白骨化した遺体・・・・



緋文が何度も彼女の家に行き、
彼女と話した時には既に亡くなっていたという・・。



・・



あれから-



緋文は深夜に起きてしまい、
何気無くキッチン辺りを通った時・・




 ブーン・・・



家庭用冷蔵庫の音を耳にする・・・





『見てたのは死んでいた、鞠子・・・』





ふと、あの鬼の顔が甦ってしまう、



・・頬がこけた形相の、彼女の・・・・



 

「やめて、止めてよ・・・お願いだから」





 ブーーン・・・



・・








すみませんワタシは怪談を書く占い師



・・・続くかも・・・

。。









ハート表現がハードな部分もありますが・・
↓あくまで怪談として読んでください




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