夏の夜の怪談話 「鬼ごっこ」
2015-08-02 Sun 00:07
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 「鬼ごっこ」






「みいつけた!
次はなっちゃんが鬼になるんだよ」





「え~、もう暗くなるから帰ろうよ」





「ダメだよ、まだ顔、みえるもん」





他愛ない遊びをしていた菜穂子は、
相手の子が一人になったのを不思議に思った。





「ゆき子ちゃん、だってほら、
他の子たち、もう帰ったじゃないの」





「・・え?・・・」





その時、相手だったゆき子という友達は、
たぶん菜穂子よりも変な顔になったかもしれない。




歪んだと思われる表情を引き摺りつつ、
菜穂子は自分の部屋で目覚めた・・。




『また、あの夢?
しかも、何でまた鬼ごっこなのかしら・・』





菜穂子は30代になった性 -



とある大きな地方都市で、
母体は関東にある半官半民の会社で、
長い間事務員として働いていたのだが。




同期が一人、また一人と寿で退職して行き、
若手からいわゆるお局扱いされるのも慣れた。





・・筈だったのだが・・・



起きた菜穂子は、
色々な部分に諦めをつけていた自分の顔を、
ベッドの脇にある半身を映せる鏡で、
何時に無く改めて見てみたのだった。





・・自分で言うのもどうかとは思うけれど、
中堅どころの優、
前澤友伽里に何処となく似ている。



前澤友伽里は年齢不詳と言われていて、
本人も敢えて実年齢を公開はしていない優だ。





・・そう言えば・・・



気紛れに出席にレ点を付け送り、
一度だけ出てみた同窓会でも、
余り見覚えが無かった昔の同級生の男性が・・





「ね、前澤友伽里に似てるよね菜穂子ちゃん
似てるって言うよりそれ以上に綺麗だよ」





気乗りがしない会話を始め、
更にうんざりする程、今の会社での地位や、
まさかの年収や奥さんと別れた事まで、
としてはほぼ初対面に近いような人間なのに、
べらべらと喋り続けていた男・・。




せっかく違う友達だった子と、
趣味の話が弾んでいたのに、
いよいよ煩くなった菜穂子は-





「ごめんなさい、ちょっと化粧室に・・」





慇懃にならないように気遣い、
静かに一旦、席を離れたのだが・・。




離婚された馬鹿な独り善がり男は、
チッと下品に舌打ちしながら、
「お高くとまってるから結婚出来ねぇんだよ」と、
極力、小さな声で言ったつもりだったのだろう。




丸聞こえに近かったし、
当て付けがましさと舌打ちに、
何故、この男が離婚をされたのかが解る思いだった。





が。。


菜穂子はちょっぴり気にはなっていた。
前澤友伽里に似ているという感想より、
お高くとまってるからの方にだったが・・。





実はお高いどころか菜穂子は、
大学時代から子高出身だったため、
男性への対応がある意味下手で、
反対にどうとりあえずキレイに別れるとか、
異性をあしらうとか・・




自覚しつつも、
根っからの不器用さで、
去るものは追わず、来るものは拒まずと、
いい加減な付き合いかたをしていたら・・





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『あいつは誰ともヤル女だ』




『男を喰って生きている不埒な女』




などと、当たり前ではあったけれど、
失礼極まりない噂が広まってしまった。




考えれば、それはある程度、
外れてはいなかったのかもしれないのだが。





・・美しい女は女の敵でもある・・・。




結果は・・・


その時に流行り出した艶っぽい若手女優にも似て、
不埒でエロティックな女として、
知らず知らずのうちに有名になってしまい-




大学の専門課程のゼミでも、
半ば自棄になって教授と寝て単位を貰ったり、
中身の評価を上げたりという醜聞に至ってしまった。





フェミニズム運動を学内で展開するような、
はっきり言えば、
見た目が劣るような過激な女子の同期生に、
有ること無いことを吹聴されて敵扱いに。





『・・実際、半分は本当の話だわ』





でも・・・



美しく身持ちの芳しく無い女は魅力的であり、
この会社に入社してからも、
話な事を言えば男に不自由した事も無かった。





その頃からだろうか?・・・



彼女は例の夢を、以前よりも
もっと頻繁に見るようになった-





「何故なのかしら・・・」





会社で昼食を喫茶店で食べた後から、
ものすごい睡魔に襲われてしまい・・



気付いて、腕の下に・・
焦げ茶のマホガニーの丸いテーブルがあった時、
はっとして会社の課に駆け付けた時にも・・




上司が以前に付き合った男だったので、
菜穂子にはそんな感情は無かったのだが、
遅刻の代わりにこそっと耳打ちされた。





「・・また彼氏が不在だったら、ねぇ・・」





彼氏が不在だったら、
ヤラセロという意味だろうけれど、
そんな事よりも、
彼女には先ほどのテーブル上で見た、
同じ夢なんだか、夢うつつの幻想なのだか?




異次元に引っ張られるような、
鬼ごっこをしている過去らしき中身の方が、
更に気になって仕方がなかったのだ。





「なおちゃん、見つけた!」




「しょうこちゃん、帰ろうよ、もう夕方だよ」





「ずるーい、ダメダメ、
最後には菜穂子ちゃんがのこらなくちゃ」





・・気が付けば・・・



喫茶店でも無く、マンションの部屋でも無く、
次にはホテルらしき暗いライトのベッド-




ぐしゃぐしゃに皺となったシーツ、
そのダブルのベッドには、
サイドボードに何万かのお札が置かれている。





『え・・・私、私、何を?
誰なんだっけ、横にいた人って・・』


・・






m(u_u)m ここでおねがいいたします☆


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お金という報酬は初めて見た気がする、
いや、こんな行為の後に金銭を要求なんて、
高給の菜穂子には考えられない事だったのだ。




何でよ、
どうしてあの鬼ごっこの夢なのよ!・・



私は一体、どうしてこんな事をしてるのよ・・・



・・




「なおちゃん、見つけた」




「次はなおちゃんの鬼の番だよ」





・・またあの夢だか幻想かだった・・・



菜穂子はその時、何時に無く少し冷静になれた。




鬼ごっこの夢だか白昼夢だか、
はたまたリアルタイムな幻想のようなモノは、
何時も菜穂子が最後に残ってしまい、
相手の子たちに駄々をこねて終わっている気がしたのだ。




それはどうしてなのか?が、
気になって、気になって仕方がなかった -




『醒めなければ、

あの後にはどうなるのかしら・・

最後には私が残るって、何故なの』



・・




「菜穂子ちゃん、いた、見つけたよ!」




「え、あ、まいこちゃん・・・」





・・ソウ、コレダワ、コノユメヨ・・・





「菜穂子ちゃん、見つけたから
私は迎えが来たら行かなくちゃ」





「まいこちゃん、行くってどこになの?」





「やだ、菜穂子ちゃんも知ってるくせに」





・・シッテルッテ、ナニヲ?・・・




夕暮れの中、
菜穂子はようやく足元を見ることが出来た。




そこは途中からヒタヒタと水が近くから・・





「じゃあね菜穂子ちゃん」




『え・・・・』





その時、誰かが菜穂子の腕をぐっと引いた -





「え、あの、なに?」





・・その人物、というか、
菜穂子の腕を引いた存在は、
顔が真っ白で目も鼻も口も無かったのだ。




・・カオガマッシロダワ、ドウシテ?・・・





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「あっちに戻るぞ」




ドコ、あっちって?・・・




そこは広い広い河原のような、
流れが少ない川の、
たくさんの石が積まれた場所だつた。




その時、
ようやく菜穂子の中での細やかな記憶が蘇った。





「・・私、何時までこの河原にいて
子どもたちと鬼ごっこを?」




顔の無い人物は、
聞いたことが無いような高らかな笑いような、
機械音めいた音で答えたのだった・・





「お前の罪はまだまだ償われていない」





「罪って、私、何かしたんですか?」





「ははははは、ははははは・・」





高らかな笑いのような声は、
菜穂子の疑問を一笑にふして、


更に強く腕を引いた -





曖昧な境界の水の中をヒタヒタと向かうと、
何人もの子どもたちが同じ歌を歌っていた。





「一つ積んでは親のため~




「二つ積んでは○のため~・・・」





たくさんの子どもたちは、
河原で石を一つ、一つ積みながら、
でも風体が変わっていて・・



水色だったり、真っ赤だったり、
あるいは普通により近かったりと、
顔や体の色みが違っていた・・。





「まさ子、ゆりえ、かえで、きみ子、ゆき、
ひとえ、きょう子、遊びに行くぞ・・」




「また鬼ごっこをするんですか?」




「ははははははははは」





白い顔の人物が嘲笑のように笑った -




「お前は罪が重い、重いんだ

だから、十年、五十年と、
賽の河原で石積みをしている子どもらの
息抜き遊びと、あの渡しに雑用になったのさ」





「さ い の か わ ら・・」





罪が重い、重いって・・・



菜穂子の頭の中には、
不思議な映像のようなモノが流れた・・。




小さな頃に、
年輩のの人を背中から、



彫刻刀で・・・




血しぶきが、
菜穂子の体や顔にまで飛び散った-





『じゃあ、じゃあ、今の私の記憶ってナニ?』






腕をまた引きながら白い顔の男は言った -





「継母殺しの罪は深い・・



色々なの記憶は、
十年、五十年、百年の償いの間に、
お前が関わった子どもたちの過去の所業だ



だが、お前の罪は永遠だからな・・・


ここからは出られんのだ」






「賽の河原で、いやよ、いや・・・」





その時、遠くからまた子どもの声が小さく響いた。





「見つけた菜穂子ちゃん」





「菜穂子ちゃん、サヨナラ~」





『待って!

嫌よ、おいていかないで・・・・』



・・







すみませんワタシは占い師



・・・怪談も続くかも・・・

。。













ハートエンドレスな最後・・・
↓・・そういうこともあったりしてね・・・




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(゜▽゜*)いつも長い怪談を読んで頂きありがとう。

いろいろと遅れます、誤打は読んでいてね。





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夏はこれがないと、ですね。毎年楽しませていただいてます。
こう暑いと、何かあの世との境目がわからなくなってるような感じが、ふとした時にするような…
2015-08-02 Sun 08:24 | URL | ナツ #-[ 内容変更] | top↑
- My Dear ナツ さん -
v-22(゜▽゜*)こんにちは~☆コメントありがとうございます・・。
そうですねー、曖昧な部分は・・ホントはこんななんじゃないかとか、
仕事をやっていても人から感じたり思うものなので、怪談のテーマですね・・。

後から思いだして、なんか居心地悪いという後味の話に敢えてしております。
仰々しくないひっそりと恐いという感じですね(意地悪か・・)。



2015-08-03 Mon 22:13 | URL | mecha #-[ 内容変更] | top↑
 
 
 
 
 
 
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