お盆話2015その2★夏の夜の怪談話「舶来の車」
2015-08-16 Sun 01:13
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 「舶来の車」





加那は・・
少し前に彼が買った物が気掛かりだった。




それはコバルトブルーの車なのだが、
加那には見た事が無いようなイタリアの外車だった。



絵に描いたような流線形と言うのだろうか、
無駄なく美しい車である事には変わらないのだが・・。





「綺麗だろう?無駄も隙も無い美しさだよ」





長くネットや中古車のサイトで探していた、
まだ婚約者といった位置付けの洋輔には、
今は車以外の何も目に入ってはいないようだ。





何故かこれまでの外車と違い、
日に日に加熱して行く洋輔の気持ちとは裏腹に -




加那がその車に対して気に障ったのは、
何時か彼と夜に乗車した時の事があってからだ。





よく、安でな怪談などで、
中古の車に乗ったりすると、
バックシートが濡れていたり、
長い黒髪の女が後ろに座っていたり・・


そんな奇妙な話が存在していたと思うのだが。





一たん、洋輔がコンビニ前に下車し、
降りて飲み物を買いに出た時のことだった。




それまで、何の事は無く、
普通の車中としか思えなかった中、
少し湿った風が車内に吹いて来て、
女性ではなく、知らないの声がしたのだ。





「・・気に入ったかい?」





「え?・・・」





加那は助手席に座っていたのだけど、
その声は隣から聞こえて来た感じがした・・。




え、と洋輔側を見ても、
もちろん、誰もおらず、
そんなこんなですぐに彼が帰って来た。





「オレンジとアップルとどっちが良い?」




「じゃ、アップルの方を」




満面の笑みは、
気に入った車に乗っているご機嫌な顔付きで、
その、ほんの数十秒の不可解な出来事は、
無かったかのような雰囲気に戻ったのだが・・。





『・・聞き間違いだったのかしら・・・』




でも、それから加那が、その流線形の車に、
少し疑念を抱くきっかけにはなったのだった。



・・




ある日、帰宅するには遅くなったのと、
会話が弾んだ後に良い感じになったので、
次が休みだったし、
洋輔のマンションに泊まって行く事になった。





加那がサラダを作っていたら、
ワインにチーズが食べたいと言うので、
彼が近くの大手スーパーに車を走らせた。




ローストビーフがあったし、
赤ワインを飲みたかったので、
ブリーチーズをカットしてサラダと一緒に出した。





「ちょっと飲みましょうか」




海外の食材を主に扱う輸入業者で、
学生の頃に長くバイトしていた洋輔は、
簡単なコルク抜きで器用にワインのコルクを開けた。





「重たくないので飲みやすいわ」




「俺もあまりワインは気にしないけど
もうちょっとハードなのが好みかな」





安定した仕事と少しだけこだわりのある生活、
お互いに干渉し過ぎない時間・・
お酒の趣味も殆ど似ていたし、
来年にでも結婚という声も聞こえていた二人。





食事が進み、酔いも回った辺りに、
彼がこんな事を言った・・・





「そういえばさ、
あの車からこんな物が見つかったんだよ」




「え・・・・」





高い本棚の何処かから、
置いていた小さな何かを取り出した。





「煙草入れだと思うんだ、これ」




それは・・・


少し細みのシュガレットケースのようで、
性の持ち物と言うよりは、
お洒落なイメージの女性の持ち物だったと思われた。




。。



見たとたんに、加那にはあの、
昼間に独りで車に居た時の事が甦った。





『気に入ったかい』





「・・・何かこれ、気味が悪いわ・・」




「そうかな?普通の煙草入れだと思うけど」





すぐに酔いも手伝い、
あっという間に眠気に襲われた彼女は、
そのまま意識が薄れた感じがした・・。


・・




ふと気が付けば、
そこは洋輔の寝室のベッドの上だった -




きっとあのまま、
二人で眠ってしまったのだろう・・・。




そう思っていたら、
隣に眠っていた筈の彼の感じが違っていた・・。




「洋輔、あの・・・」




加那の後ろをゆっくり振り向いた、
そのは歪んだ笑いをこちらに向けた。





「ふふふふふ・・・」





「え、いや、キャー!」





寝室に加那の悲鳴が響いた・・


・・




m(u_u)m ここでおねがいいたします☆



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ハート事実は小説よりも奇なり・・
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何事かと、
恐らくはまだキッチンにいた洋輔が来て、
汗でびっしょりになっていた加那を起こしたのだが。





「誰かいる、違うの人がいたの!怖いわ」





取り乱した加那がいくぶん落ち着いてから、
彼女の懇願するような言葉を洋輔は聞いた。





「・・だからね、あの車、手離して
でないと、とても嫌な事が起こりそうな気がするの」





はなから馬鹿にこそしなかったけれど、
洋輔はちょっと笑って返した・・。





「加那さ、編集の仕事が立て込んでるって
先週からやたら忙しかったじゃない
だから、色々と疲れて幻想でも見てるんだよ」





「・・そんな・・・

違うわ、これは本当に感じるのよ
車、買い換えましょうよ、洋輔」




そんな彼女の願いも虚しく、
引き合わなかった洋輔の背後から、
また、こんな声がして来たような気がした。





『モウスコシダヨ・・・


モウスコシデ、オワルカラネ・・』






もう少しって?



終わるって、一体何なの?・・・






・・それから・・・




洋輔を無視したような声が聞こえたり、
全く違う、あの車の念のようなの、
あたかも加那を個別に誘うような、
人間の体温や影や気持ちさえ伝わった。





そんな事が重なるうちに、
加那は彼の車に乗るのも、
あの煙草入れのある部屋に行くのも、
洋輔に会うのさえ嫌悪を感じてしまっていた。





彼と少しずつ疎遠になって行った辺りに、
ようやく彼女の、
不可思議な行動に気付いた彼から連絡があった・・。





「加那、どうしたんだ?
そんなに車、嫌なの・・だから電話にも出ない訳?」





あの、車に恋して浮かれたような彼の、
一気に覚めたような、
以前に聞いたような懐かしさは、
加那を車が来る前の時期に戻した・・。





「・・そうよ、私、あの車があるうちは


たぶん、あなたの元には行かないわ


いいえ、行けないのよ、怖くて・・」





しばらく沈黙が漂った後に、
洋輔は意を決したかのようにこんな一言を -





「今度、ドライブしないか?
俺、加那が居ないと駄目みたいなんだ


日曜日にあの車で加那と一度、ドライブしたら
手離すようにするよ、約束だ・・」





とりあえず加那はほっとした・・


車が無くなる、
違う車と替える決心を彼がしてくれた。




たぶん、これまでの彼の言動を考えれば、
きっとあれは本気なんだと思った・・。





「加那のマンションに迎えに行くよ
昼辺りに、下でクラクション鳴らすから
最初にデートに行った風吹岬にでも行こう」




風吹岬へ・・・




加那は少しだけ、
安堵の中に不穏な感情が入り交じったのだが・・。



・・




週末は複雑な気分の中、足早にやって来た。




日曜日の昼下がり・・・



ちょっとお洒落をして待っていた加那の耳に、
あの、何かが蹂躙しているかのような車の、
少し曇ったクラクションの音が聞こえた。





『これで終わり、
一度デートしたら車を買い換えるんだわ・・』





くすんだブルーのワンピースに、
シルクオーガンジーの
白い半袖のカーディガンを羽織り、
岬に行くためのフラットなサンダルを履いた加那は、
あまり視界の中に車全体のイメージを入れずに、
意識もしないように気遣い車に乗った・・。





「ごめんね洋輔、私・・・」





「いや、良いんだ・・
加那が居ないこの1ヵ月は何だかもう・・


俺はちょっと、
おかしくなっていたかもしれないな」





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ウィーンというイタリア車独特のエンジン音も、
中の助手席の感じも、
何度か乗車した際に感じた嫌悪感が無い。





『このままだったら・・でも、やっぱり替えて欲しい』





気持ちもアップダウンする中、
快調に岬へのドライブは進んで行った。





風吹岬には季節でも、
お盆の最中という理由でか、
加那と洋輔くらいしか観光客はいなかった。




二人で展望台まで上り、
持参した簡単なお弁当を食べ、
久しぶりにゆっくりとした時間を過ごす事が出来た。





「これで、手離す気持ちが固まったから」





その時、風が唐突に吹いて来た・・・



駐車場の、
車の中に二人乗車をし、
エンジンをかけようと洋輔がギアを入れた時だった。





え・・・




運転慣れしている彼の様子が普通ではない。



何かにハンドルを取られている、
そのただならぬ焦りに加那ははらはらとして、
状況が収まるのを待っていたのだが・・




「あ!」





キャー!





叫びにも似た彼の声に、
とたんに車が一回転して、
駐車場のポールにぶつかったのだった・・。





その衝撃は大きく、
加那はシートベルトをしていなければ、
もしかしたら、
車外にでも飛び出しそうなくらいだった。





・・・シュウ・・・・・




車のエンジンから不穏な音が聞こえて来たが、
何分かすると、
伏せていた彼が気付いたようで安心したのだが。




おもむろに、
加那の方を向いて洋輔はにこりと笑った・・。





「大丈夫だよ・・・」





大丈夫だよの声が、
まるで彼の声とは違う気がした・・・。





が、そのまま彼のマンションに向かい、
マンションの外付けされた車庫に入った時、




空気が一気に変わったのだ・・・





「あ、の、洋輔・・・?」





夕陽がその時、


彼の後ろから照らしていて、
あの声が車の中全体に響いた・・





「ほら、上手く行った


終わっただろう?・・・


君は逃げられないんだよ、俺からは」





加那は驚愕のあまりに、
金縛りに遭ったかのように凍り付いた。





そして、身動きが出来ないまま、
その新しい主の声を聞いていた。





口元を歪めて笑った、
声のは洋輔と全く同じ顔を彼女に向け、
高らかに笑って言い放ったのだった・・・





「言ったろう?・・お前は俺のモノだ


お前を追って、ここまで俺は来たんだからな」





くらくらと目眩がした・・・





『何なの・・ここまでって? 


誰?、イッタイ何所から?・・・・』





そして加那は、恋人の顔をした、
見知らぬの腕の中に倒れて行った・・。



・・






すみませんワタシは占い師



・・・続くかも・・・

。。














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(゜▽゜*)すみません、変換ミスなどは読んでいてね。

感想・・?ないかな、あったらどうぞ・・・

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別窓 | *占い師の実話に近い怪談話* | コメント:2 | top↑
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こんばんは!
車に憑りついていた霊が彼氏の身体を奪ったのでしょうか?

恐~っ!!
2015-08-17 Mon 21:32 | URL | おもちゃのひろくん #-[ 内容変更] | top↑
- My Dear おもちゃのひろくん -
v-22(゜▽゜*)こんにちは~☆コメントありがとうございます・・。
そうです、そういうことに至ってしまった外車の中古車購入のお話・・ですね。
訳のわからん物は買わない方がいいよ、という教訓だったりしますが^_^;

2015-08-17 Mon 23:57 | URL | mecha #-[ 内容変更] | top↑
 
 
 
 
 
 
  管理者だけに閲覧
 

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