夏の終わりの怪談話 「携帯電話」 最終話
2016-09-14 Wed 00:18
00autumn01.jpg




 00autumn02.jpg




麻子の目の前には携帯電話が一つある-



それは、今時のスマートフォンではなく、
少し前のガラパゴス系、
いわゆるガラ系の二つ折りのモバイルだった。




今年三十代になる麻子だったが、
パソコンのキーボードを打つ仕事をしていたため、
スマートフォンに替えるのに抵抗があり、
いまだにガラ系の携帯電話を使っていた。




そんな彼女も来年には、
同級生だった彼と結婚する予定になっていた。





・・ある時・・・


その古いと言えば古い携帯電話に、
同級生のゆかりから友達の美依が亡くなったと、
突然の訃報が舞い込んだ・・。





「麻子、美依が亡くなったのを知ってる?
彩花から電話があって・・
私、同窓会の予定を聞く幹事なんだけど」




「・・そうなの・・・」




「伝えられていなかったけど
何か訳ありな亡くなり方だったみたいで」




ゆかりは特に彼女と親しかったため、
声も上ずっていた感じだったのだが・・。




「訳ありね・・・」





・・ふーんと麻子は思った。



途中にはあまり良い感情だけだった事も無く、
複雑気持ちにもなった・・。




美依は美しく、
同級生の中でも群を抜いていたような美人で。
何ヵ月前だろうか?
彼女から連絡があって会った記憶がある。





しきりに昔の高校時代の話になり・・



懐かしさと共に甦ったのは、
麻子の好きだった先輩と彼女が、
何の気なしに付き合い出して、
結果、少しだけ付き合っていた麻子が、
振られた形になった事が思い出されたのだ。





・・ふと、麻子は悪戯に、
彼女の携帯にメールをしてみたくなり、
まさかねと思いながらも、
美依のアドレスに他愛ない言葉で送信をしてみた。





『ご機嫌いかがでしょう?私は相変わらずですが』




ほんの出来心だった -




もちろん、メールは返っては来ずに、
その日は反対にほっとしたのだったが・・。





だが次の日、
そんな悪戯心に後悔に苛まれる結果になった。





『お久しぶり、麻子は元気そうね
私も変わらずに過ごしているわよ』





・・え?・・・



元気って、変わらずにって?・・




それはアドレスも変わらず表示されている、
彼女、美依からの返信のようだったが。




まさかそんなと麻子は驚いてしまった。
美依からって、一昨日、
ゆかりから連絡があったばかりではないか。
彼女は前に亡くなってしまったという連絡。





麻子は少し焦りながら、
美依らしきモバイルへの返信をまた送ってみた。




『本当に美依なの?だったら会えないかしら』




・・たぶん、彼女の母親とか、
まだ亡くなったばかりなのだから、
誰か親族や身近に居る人のイタズラだと・・。




。。



そのメールに返って来た内容は、
更に麻子を恐怖に陥れた・・。




『良いわよ、
週末、土曜日なんかはどうかしら?』





自業自得とは言え、
返信の通りにしなくてはいけない気になった。





『では土曜日、何処にすれば良いかな?』





場所は繁華街で真上町、
昔、よく行った老舗のカフェでシャンブルと、
メールの最後には夕方6時となっていた。




でも・・・

これはナンダロウ?



悪い夢でも見ているような・・・




メールをもう一度、打ってみたい衝動を抑え、
麻子はそわそわとした数日間を過ごした。




そして、土曜日は足早にやって来たのだった。



・・




真上町のカフェ・シャンブルは、
土曜日の夕方はあまり混んではいなかった。





『・・6時か、まだまだだわ』




土曜日なので仕事は休み、
真上町までは電車で四駅くらいだけれど、
麻子は家でも落ち着かず、
早めに出て来てしまったのだ-




心の底には、
亡くなった友人が来ない方を希望していたが、
反面、何かの確認のような、
そんな気も否定出来なかった・・。


・・





m(u_u)m ここでおねがいいたします☆



 08kaidan03_201609132235265e0.jpg


ハート先月書こうと思っていたお話です
↓今期、最後の怪談を読んでください・・




人気ブログランキングへ



にほんブログ村 その他趣味ブログ 占いへ
にほんブログ村




もっと読んでみたい方どうぞ・・・☆





00autumn003.jpg




昔からの名物だった珈琲ゼリーは苦く、
滅多に使わないシロップを注いで口にした。




それから・・・


壁にある時計は30分ごとに鳴るらしく、
5時30分に何処かヨーロッパの寺院のような、
そんな格式のある音色が静かな店内に響いた。





『あと30分だ・・・』




持参した文庫本も読んでいるのか、
そうでは無いのかさえ分からず、
そんなうちにとうとう時計は6時の音色を告げた。




5分、10分、25分・・・



30分、45分・・・




店に入ろうとするお客は、
6時前以降は誰も居なかった・・。




『やっぱり、ただの悪戯だったのかしら』




最寄りの駅から電車に乗り、
帰途にある彼女にどっと疲れだけが襲った。




。。



・・帰ってから、何を思ったのか、
麻子はまた、止せば良いのに、
すっぽかしをした美依の携帯のアドレスに、
短い文を打ってみたのだった・・。





『美依、今日は待っていたのに、
カフェ・シャンブルに来なかったでしょう?』




返信は・・

苛々する麻子をなおも苛つかせるように、
三時間くらい後に来たのだが・・





『私、シャンブルに居たわよ、
麻子と反対側の席に座っていたから、
あなたに手招きをしたのに気付かなかった』





・・え?・・・



私と反対側の席に?



嘘よ、反対側には誰も座ってはいなかった。




悶々としていた中、
今度は美依の方からメールが着信した。




『・・だったら、明日は?

今度はシャンブルじゃなくて高校の屋上はどう?』





記憶の奥底に沈めたモノが、
一瞬、甦った気がした・・




屋上なんて、
今時はセキュリティで上がれないでしょうし、
身分証明書とか持っていないと駄目なんじゃ?




打ってもいないのに、
見透かしたようにメールが続いた・・





『大丈夫よ、
きっと明日は空いているわ
運動部の練習があるだろうから・・』





・・母校の屋上に、午後の4時半に・・・



最初はただの悪戯だったのに、
何だか今は美依の意のままになっているような。




麻子はでも、
嫌な記憶を確かめたくなり、
次の日、日曜に高校へ行く電車へ乗車した。




 00autumn004.jpg




日向高校へ向かうのは、
昨日の喫茶店シャンブルとは反対の電車だった。




麻子は思い切って電話をしようとしたが、
さすがにそんな勇気は持ち合わせてはいなかった。



勇気って言っても、
自分の行動自体に嫌気が差していたのだが。





・・高校ではあちこちで、
スポーツクラブの練習が行われていて、
夕方前の4時にも活気は感じられたのだが。




校舎に上がり、
屋上を目掛けて中央階段を上った・・




あ?・・・

つい最近、この場所に来たような気が・・。





練習をしていたクラブもあるのに、
そこまで誰一人として出合わない。




麻子は今や、
見えない何かに手を引かれているようで、
それも本望な気がしていた。




二階、三階、四階の次が屋上となっている。



屋上にあるドアはやはり施錠も外されていた。




秋もまだ浅い夕方、
赤く染まる空に見いっていた彼女に、
静かに足音が近づいて来た・・。





「美依?何で・・・」




「お久しぶり、麻子」





にっこりと笑った彼女の笑顔は、
夕陽が沈み行くに連れて、
恐ろしい形相に変わっ行った・・・




「酷いじゃないの、酷い」




美依の長い細い腕が麻子に絡み付いた。





「待っていたわ、


一緒に連れて行かないと私が浮かばれないのよ


昨日もシャンブルで待ち合わせしたのに」





「ひ!やめて、やめてよ美依」





「何も私の彼を取ることは無いじゃない
来年に結婚ですって?
笑わせないで、それが復讐?・・」




「やめて、でも最後に彼は私を選んだだけよ」





「あんたが私を殺したからでしょう!


だから、そっちに行っただけよ、彼は・・」




「最初は私の彼だったのよ!それが」




「落ちなさいよ、私のようにここから


前にあんたが私を突き落としたじゃない」




「落とすつもりなんて無かった、


けど・・酷いこと、言うからよ・・」




すっと美依の指が伸びた・・


腕が、そして両の腕と足が絡まった。




感じたことが無い力に麻子の体はひるがえった・・





あ!




麻子は宙に舞う自分を感じた・・・



・・




『日向高校で相次ぐ事故


飛び降り自殺なのか、事件かを捜査中』





翌日の新聞を見た、
美依と麻子の友人はおそらく驚いただろう-





麻子には来年、
結婚をすることが決まっていたし・・



更にそれが、
いったん美依が昔、横恋慕をし、
麻子から奪い盗った形だった片桐君で・・。





「元に戻ったから良かったと思っていたのに


これって事故?自殺?もしかしたら二人は・・」




同窓会の幹事だったゆかりはため息をついた。



訳ありだと聞いた美依の死因も、
麻子が同じように亡くなったことにも・・。





・・奪い取り、そしてまた友達を殺めて奪い返した・・・




そんな女たちの業は、
人知れず同じように堕とされて、
仕舞いには互いに幕を閉じたのだった・・。





そんな事実は知らないままゆかりはふと、思った-




『何がどうなのかは分からないけれど


でも、因果応報って言うのかしら・・


そう言えば、二人似たタイプだったな』



・・






すみませんワタシは占い師



・・・怪談はまた来年続くかも・・・

。。










ハート誰がどんな欲望を持っているのか
↓実は計り知れないものです・・




人気ブログランキングへ



にほんブログ村 その他趣味ブログ 占いへ
にほんブログ村


 11kuma0013_2016091322355904c.jpg


(^ー^)v今年の怪談はおしまいです・・・

来年、またブログを継続していたら、

怪談を書きたいと思います・・。

誤打は読んでいてね、レスなど遅れます。



別窓 | *占い師の実話に近い怪談話* | コメント:0 | top↑
<<顔のたるみと寝る前の携帯モニターは?&家電の吉方購入 | すみませんワタシは占い師 | 発散するための自分のやり方☆独りカラオケ忘れてました>>
 
 
 
 
 
 
  管理者だけに閲覧
 

| すみませんワタシは占い師 |