夏の夜の怪談話 「洗面所の鏡」
2017-08-08 Tue 00:12
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紗英は最近、引っ越しをした。




以前はアパートだったけれど、
近所が煩くなり新しくマンションに変えたのだ。





紗英が別段に目立つ訳でも無かったが、
行く先々で何故か話題となるようで・・


大学の寮から出て自活してからというもの、
引っ越しは数回以上にはなっていたと思う。





変な噂が立ったり、
突然、変わった隣人から嫌がらせを受けたり。




引っ越し先が芳しく無いのか?
幾度と似たようなトラブルに巻き込まれ、
悪いこともしていないのにと、
自分を苛んでしまったり・・。




そしてまたこの前に、
彼女は似たような状況になった果てに、
新しいマンションに越して来たのだった。





「今度は何もありませんように」




買い足した真新しい椅子とテーブルは、
まだ30代を過ぎたばかりの若い女性らしく、
ペイントは明るいクリーム色で、
キッチンの片付けをしながら、
気分はちょっとだけ華やいだのだが・・。





何日かは無難に過ごせていたけれど -


だが、少ししてから紗英は鏡が気になった。




鏡は洗面所にあって、
以前から備え付けられていたようだ。




よくあるバスルームの隣がすぐトイレで、
その間に手洗い場があるのだが・・



たまに歯磨きをしていたり、
顔を洗っていたりすると、
鏡の中から何か、
声のようなものが聞こえて来る気がしたのだ。




それは、どうやら子どもらしき声で・・




「ミエルヨ」



とか・・



「マタダヨ、ミエル」




などと、
何を言っているのかが理解出来ない内容だった。





「・・嫌だわ、
備え付けだから外す訳にもいかないみたいだし」





それからも・・


洗面所の鏡からは、
毎日では無かったのだけど、
中からの声はたまに彼女を怯えさせた。





一ヶ月が過ぎ、やはりまだ、
たまに声が鏡から聞こえるのにたまりかね、
紗英は管理人に連絡をしてみた。




その日の午後にやって来た管理人は、
老人というほどでは無かったが、
おそらくは何処か会社をリタイアして、
この仕事に就いたような感じの男性だった。





ただ、酷く寡黙なので、
紗英の方から声の説明をすると・・




「以前の方からは、
何もクレームは無かったんですがね」




それだけを言って、
鏡のあちこちを触ったり、
とりあえずビスのような部分を外したりした。





「あの・・・」




「また何か聞こえたら外しますから」





そっけない言葉だけを残し、
その鏡はまた、何時もと変わらずに、
洗面所に存在していた・・。




『でも、鏡を外してはいけないような・・』




混沌とした複雑な気分のまま、
管理人が色々とやって行った後は、
しばらくは穏やかな状態が続いたのだった。





が。。



紗英がほの暗い洗面所へと、
家電量販店で小さいライトを買って来た日。



あの声のようなモノがまた聞こえて来た。





「・・オカアサン、アカリダ」



・・






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え?・・・



オカアサンって・・


今度は子どもが誰かを呼んでいるような?





「嫌だわ、まただ・・
明日、鏡を外してもらおう」




紗英はとりあえず、
鏡が隠れるくらいの大きな紙を貼りつけた。


・・




・・洗面所の鏡から、
何やら不可解なほの明るさが見え・・




マンションに住む麻子は、
またうんざりした気持ちになった。





一人息子の翔太は、
洗面所に備え付けてあった鏡を覗きこんだ。




「お母さん、
あの女の人はいないみたいだよ」




「そう・・でも
また出るかもしれないわね」





母子家庭である麻子と翔太は、
先日、このマンションに引っ越して来た。




最初、
洗面所に鏡が備え付けてあったから、
買わなくても良いと思っていたのだが・・。




ある時から、
その鏡から不思議な声が聞こえて来たのだ。




それは若い女性の声のようで、
最初はノイズくらいでしか無かったのだが、
日に日にハッキリとした言葉に変わっていた。





「イヤダワ」



とか・・



「ナンデマタ キコエルノカシラ」



・・などといった独り言のような声だった。





麻子はやはり後悔をした・・。




ようやく暴力的な彼から逃げて来たのに、
あの時、不動産屋から言われた言葉を、
また思い返して悔やんだ・・。





「・・それ以下のご予算ですか」




出来るだけ賃貸は安いと助かった。



無防備なアパートだと、
この前の二の舞になる気がして、
とりあえずはマンションにしたのだが・・。





「・・こちら・・・

いわゆる事故物件ではあるのですが」




2Kと間取りは小さめだけど、
翔太と二人だからうってつけではあった。





「で、ですね・・
備え付けの洗面所の鏡が問題でして」




「洗面所の鏡、ですか」




「毎日では無いのですが、

その・・

女性の声が聞こえて来ると言われていまして」




訪れた不動産会社の、
担当の中年男性は、
やたら汗をかきながら話した・・。




でも2Kで月々5万は魅力的だった。





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「外して新しい鏡を入れても、
また違う鏡からも声は聞こえてしまうようで」




「声だけなんでしょ、だったら構わないわ」





保証人も代理の会社で、
そんなすぐに審査が通るなんて、
とにかく早く引っ越しをしたかった麻子には、
丁度良い物件だと感じたのだったが・・。





「お母さん、今度はあっちに灯りがついた」




今度は灯りか・・・




変わった事故物件だと思う、
声が聞こえて、
どうもあちら側に居るかのような女性が、
ああだのこうだの言っているらしいだけだから。





「翔太、あかんべーでもしてやりなさい」




「わかった」





・・ふと、麻子は改めて思った・・・。




毎日、顔を殴られたり、
息子にライターで火を点けたり・・



そんな暴力男からのDVよりは数段、ましだ。





何の因果か分からないけれど、
どうした訳か閉じ込められたような、
鏡の中の女性が、
何時しか麻子は自分の悲鳴と重なって、
同情すら湧いて来ていた・・。





「きっとあなたも、
つまらない人生だったんでしょうよ」




だからずっと、
こんな場所に居続けなくてはいけないのか・・。





「お母さん、鏡のむこうが暗くなったよ」




麻子は洗面所の鏡をまじまじと眺めた。




「そうね・・丁度、
紙でも貼ろうと思っていたから良かったわ」





それにしても・・・


世の中には色々な人がいるものだ・・




私に似たり寄ったりな女性も、
たぶん沢山、居るんだろうなと麻子は思った。





・・洗面所の鏡からは、
いつに無く不思議な静寂が感じられた。




が・・・


耳を傾けると小さくこんな声がしていた・・。





聞こえないわ、見えないわ・・・




何故、聞こえない、聞こえないのよ・・・



・・







すみませんワタシはたまに怪談を書く占い師



・・・続くかも・・・


。。













ハートそこの鏡にも・・・・
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(^ー^)調子がイイ時でないと書けませんが。

もう一回くらいアップするかもです・・。


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