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夏の夜の怪談話 「お屋敷の扉」 前編
2019-08-09 Fri 06:14
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毎年、自作のお話を書いておりましたが、
つくづく自分を取り巻く環境が
普通でなければ書けないものだと感じます。



今年は今日と明日に分ける一つになりますが、
拙いお話でも読んで頂ければ・・。




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『・・何処かしら、ここは・・



でもこの扉、前からずっと知ってた気がする』





そのお屋敷の前を通るたびにドアに見いってしまう。



紗月は懐かしいような、
また反面、不可思議な感覚を覚えた・・。


・・




紗月(さつき)は一年前に結婚をしたばかりだった。




今は仕事を離れて、
少し街より郊外のマンションで、
好きだった男性と生活していたのだが。




日課になっていた、
散歩がてらの買い物途中に、
周囲の景観には似つかわしく無い、
かなり古い洋館があり・・
紗月はその前を通るのがちょっと楽しみでもあった。





・・特にその入り口の扉は普通とは違って、
左右にある重厚な金属の取っ手を持ちながら、
観音開きになるのだと思われた。




人けが無さげなそのお屋敷だったが、
ここに越して来た時から、
彼女の目に止まってから、
何故か散歩と買い物の道が、
古い洋館へ行くコースになっていたのだった。




『あの扉が開いて、


誰か出て来たりしないかな・・』





それは時間がある今の彼女の、
ささやかな愉しみのような感情でもあったのだが。


・・





かれこれ一年前のことだった ー


紗月はあまり結婚には積極的では無かった。




が、今で言うアラサー(30代前)になり、
友達が次々とパートナーを見つけて行く中。
やはり一種の焦りのようなものがあった。




しかも仕事でも行き詰まっていた時に、
本当にたまたま、
街中で元カレとばったり出会ったのだ。





・・そんな時・・・




女性というのは偶発的であっても、
どうしても運命的な繋がりを感じてしまう。





たまたまなのかもしれないけれど、
滅多に無い偶然というものは、
二人を元のさやに納めるのに時間はかからなかった。


・・




そもそも -




最初の経緯、


紗月のパートナーである中谷秀一とは、
よくあるような出会い方をしていた。





その秀一とは、
彼女が最初に就職した会社で出会ったのだが。




大学を出て一番初めの勤務で、
同じプロジェクトチームの責任者だったのが彼で、
数歳位しか違わないのに、
周囲への配慮を含めてよく仕事がこなせる男性だった。




しかも、容姿がよくモテるのに、
女性に下手に媚びる事なく、
仕事とオフと、
会社は会社と割り切っていて、


プライベートが分からないような所も、
そのギャップから、
周囲の女性たちの憧れとなっていた。






「中谷(秀一)さんて彼女っているんでしょうか?」




給湯室で話がしやすい女性の先輩を選び、
紅茶のTeaバッグを浸しながら、
ふと、単純に疑問をぶつけてみたのだが。





「あはは、無理よ彼は・・


彼女がいるかも分からないのよね
誰にも個人的な事は言わないし
みんな勝手に恋しちゃうんだけど・・



どんな美人も・・


ほら、ミスか海斗商事って名高い
受付の麻純さん、
あなたも知ってるでしょ
彼女がやたらあざとく近寄っていたけど、
なびく様子も見せなかったのよね」




受付の女性、麻純さんは確かに抜きん出て美しく、


ハイヒール姿になれば、
引き締まったナイスバディで、
まるで有名ファッション雑誌のモデルのよう。




男性社員が数多、彼女を口説いても、
いつもポーカーフェイスでなお魅力的だった。





あんな女性が近寄っても無駄なんて ー



ちょっとがっかりしてしまった。
自分にはなお、
勝ち目なんて無いに等しいような気がしたからだ。





・・そんなことも、
仕事が忙しくなる毎に薄れて行ったのだが・・。


・・





m(u_u)m ここでおねがいいたします☆


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ハート前半はやや緩慢ですが
↓明日以降の後半までお読みください




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読みたい方だけ前編の続きをどうぞ・・・




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が、ある日 ー



定期的に習っていたビジネス英会話のため、
休日に地下鉄に乗った彼女は、
いまだに
漠然と憧れていた中谷秀一を見かけてしまった。





そこは紗月が住むアパートに比較的近い場所で。





いつもはブランドとは行かないまでも、
カッチリしたスーツの彼だったが、
その日はまとまらないラフな髪で、
Tシャツとダメージのあるジーンズ姿だったのが、
やけに似合ってもいて心惹かれてしまった・・。





少しだけ車内での距離をおいて、
ドキドキしながら、
まるで安でのドラマのように尾行を決め込み、
ドキドキしながら秀一のあとを付けた。





とある駅で地下鉄を降りたのを見たから、
紗月は人に紛れて秀一を追いかけてみた。




そこはよくあるような街だったし、
下車した人もさして多くも無かったけれど。




・・ここ、何時か来た事があったような・・・。




そんな事を思っていたら、
あっという間に秀一の姿が見えなくなっていた。





「・・・歩くの早い」





好きな人のオフの姿を見失ったけれど、
でも何だか彼の知らない一面を目の当たりにし、

もしかして、
所縁だとも思われる街へも来る事が出来て、
ちょっぴり優越感に 浸ることが出来た気がした。





でも 何故だろう?・・・



いつもとはかなり違う様子だったし、



誰も周囲にいない場所なのに、
見たことも無いような素早い足取り・・




それだけが疑問だったのだけど・・。





・・それから新たな展開が待っていた・・・




地下鉄で偶然に見つけた時から
何日か経つと、
秀一は周囲が知らない間に、
少しずつ紗月にコミュケーションを持つようになった。




もちろん、
女子社員の前でなんて、
彼の立場や行動を考えれば無理に等しいので、
二人の中では極力、配慮をしてのことで。






誰とも接点を持たなかったような男性との密かな会話、


会社から遠いコンビニでの待ち合わせ、


自分の拙い料理を食べて美味しいと言ってくれ、
素敵な男性のぬくもりを独り占めしている優越感。




嬉しいと言えば、
確かにそうではあったけれど・・



会社の仲間には知られたく無かった事で、
紗月の住むアパートでがもっぱらのデート。





浮かれてもいい筈だったのに、
何ヶ月かが経つと、
ただ紗月は何となく違和感と、
彼に漂う見知らぬ人という感覚を感じていた。





『この人は何かが・・・・』





交際は順調に行っていたと思っていた中、
紗月の方が何時か闇雲で不安定になり、
曖昧な自信のようなものまでも失っていた。





その後・・・


一年もしないで、
彼からの約束へダメ出しを増やしてしまい、
何時しか二人は、
自然消滅をしたような形になってしまったのだが。





身にまとっていたような安堵や、
独りだけでは無かった空間が、
元の冷たい空気に戻ってしまった。




アパートには灯りも、
寒い時期の部屋の暖かさも失せ、
それだけではなく、
その時の紗月の喪失感は並々ならないものがあった。





それから・・・




彼女は秀一と同じ会社の同じセクションから、
人事異動で場所も支社へと変わり、
ほとんど縁は無いものだと思っていた・・。





「・・・良かったのよね、これで


なんか、続かない気がしてたし・・・」




紗月はそう自分に言い聞かせながら、
また違う存在を見つけようと考えたのだったが・・・。





。。




運命の悪戯というものがある、皮肉にも・・・




ある日、
あの地下鉄の駅の出入口に用事があり、
紗月はその場所を思い出した・・。




『前にここ、
英会話の先生が住んでいたんだっけ・・・』




友達とその先生の家に遊びに行ったことがあった・・。




道理で降りたことがあったと、
あの日、秀一を見つけた時に感じた感覚だった。





だけれど、そこでまた・・・・




「え・・・・・・」





また、スーツから、

いや、

社会から解き放たれたような彼を見つけたのだ。





また複雑でくすぐったい気分だったけれど、
癒えてもいない、
酷く辛い気持ちになるのは嫌だった・・・。





紗月はその場を出来るだけ早く去ろうとしていた。






「紗月ちゃん?


ね、紗月ちゃん、探していたんだよ俺」





アパートも今の勤務先の近くに転居をし、
幾つかのSNSのアカウントを変えていた・・・。





その時、彼女は何故だか、
かつてないような目眩を感じた・・・




体をきつくロープで縛られたような感覚に陥った。






そしてもう一方の安易な感覚・・


再び出会った相手、


しかも 運命 という方にすがってしまったのだった・・。


・・






すみませんワタシは占い師



・・・明日くらいに続くとも・・・

。。












ハート長いので明日付で・・
↓怪談とはあるけれど日常でもある話・・




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フィクションなのかノンフィクションなのか・・・


その辺、境界線は意外と無いものかも。


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